センダン(№243)

 晩秋、落葉樹が殆ど葉を落とした頃、直径約1cm、長さ約1.5cm程度の薄黄色の果実を鈴なりにつけた大木が目に付くようになります。これは、センダン科のセンダンの木です。
 暖地性の落葉高木で高さ15~30mぐらいになります。この果実はヒヨドリが好んで食べ、1日で食べつくされてしまうこともあります。ヒヨドリは喜んで食べますが、この果実にはサポニンが含まれ人間には有毒です。使い方によっては漢方薬の材料になるようです。
 5、6月にはうす紫色のきれいな花をたくさんつけ、芳香も放ちますが、あまりにも大木になることと昔は獄門台に使われたそうで、庭木には使われません。
 ところで、落葉期にセンダンの木の下を見るとたくさんの枝(長さ30cm程度)が落ちているのが見られます。実はこの枝のように見えるものは葉柄と中肋(葉の真ん中にある葉脈)に当たるものです。これが落ちた跡を見ると離層(落葉する際、枝から切り離すための層)が出来ており、葉腋(葉がついていた部分の枝)には来年の新芽に当たる冬芽(腋芽)ができているのがわかります。センダンの葉は、1枚が長さ50cmにもなる大きな葉で、葉身が小さな葉(小葉)に分かれた複葉です。
(*写真をクリックすると拡大されます)
センダンカジツ31
センダンの葉
センダンの離層
センダンの1枚の葉


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