ヤブカラシ(№227)

 生垣をしばらく放置するとすぐにつる性の雑草が絡みつきます。その大半がヤブカラシです。種子で繁殖しますが、一旦生えると地下茎でどんどん横に広がり、いつの間にか生垣が覆い尽くされてしまいます。
 花は上部に盃状に集まった集散花序で、雄性先熟(雄しべが熟し枯れた後、雌しべが熟す)ですが、雄花の時間は短く、開花して数時間で終わり花弁と雄しべは落ちてしまいます。その後、ピンク色の雌花に変わります。花は上向きの花盤と呼ばれる皿の中に大量の蜜を持っており、チョウ、甲虫、ハチ、アブなど多種類の昆虫が訪れます。訪花昆虫の種類が多いということは、受粉効率が悪いことを意味し花の数の割りに種子は非常に少ないです。また、地方によっては3倍体が多く結実しないそうです。
葉は鳥足状複葉(下の2枚の葉の葉柄がそれぞれ分岐)と呼ばれる特殊なつき方をした5枚の葉からなっています。
 さらに新葉の一部に真珠体と呼ばれる直径0.5mm程度の透明な玉をつけることがあります。これは、食葉性ダニの天敵であるカブリダニ類を増やすためのエサの役を果たしているとの研究報告があります。
(*写真をクリックすると拡大されます)
ヤブカラシ花1-1024x680
ヤブカラシ葉1-1024x680
▲ヤブカラシの花
▲ヤブカラシの葉(鳥足状複葉)
ヤブカラシ真珠体1
▲ヤブカラシ葉上の真珠体


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