オオムラサキ(№217)

 ご存知のようにオオムラサキは日本の国蝶です。北海道から鹿児島まで分布する蝶で大型(翅の開長90mmほど)のタテハチョウの仲間です。エサはエノキ(北海道ではエゾエノキ)の葉です。エノキは落葉樹で冬期間は葉がありません。この間オオムラサキの幼虫は地上に落ちたエノキの葉にしがみついて冬の木枯らしに耐えています。春、エノキの芽が芽吹く頃、幼虫はエノキの幹を這い登り新芽を捜して自分の居所を定めます。これを座と呼んでいますが、この場所から新葉を求めて歩き回り、食後はまた座へ戻る生活を送ります。数回の脱皮後、蛹となり、成虫となって、樹液を吸いながらエノキに産卵して一生を終えます。
 大きくて、どっしり構えているように見えますが、幼虫の飼育はなかなか難しく、特に休眠覚醒期(休眠を終わって活動を始める時期)の幼虫が最初の座を作るときが最もデリケートなようです。
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▲越冬幼虫
▲中令幼虫
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▲終令幼虫
▲蛹(垂蛹ー尾端をくっつけ頭部を下にぶら下がっている)
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▲成虫(標本)