ユリ(№209)

 冬になると里山の多くの樹木も落葉し、景色も褐色に変化しました。他の草が枯れた後、ところどころにユリの仲間が種子の詰まった果実を突っ立てているのが見られます(写真上左)。
 ユリの花は横向きに咲き、昆虫達を受け入れますが種子が熟し始めると果実はまっすぐ上を向くようになります。その後、果実の上端が開き鞘が3つに烈開しますが各鞘は細いネットで結ばれており、果実の上端以外に種子は鞘から出ることは出来ません。つまり、かなり強い風が鞘のネットの隙間から吹き込み種子とともに上へ吹き抜けるような状況にならないと種子が外へ飛び出すことは出来ません。ですから、正月を過ぎても直立した果実の中に多数の種子が残っているのを見ることがあります。このように、強い風のときに種子を飛ばし、出来るだけ遠くへ種子を運んでもらおうとしているのでしょう。
(*写真をクリックすると拡大されます)
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▲ユリの果実
▲風で吹き上げられるユリの種子
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▲翼を持った軽いユリの種子


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