クズ(№197)

 各地の堤防、フェンスにまとわりつき悪名高いクズ。かつては葛粉、つる細工、葛布や薬用として珍重されていましたが、最近は一部の専門業者を除いて見向きもされず、雑草として邪魔者扱いされています。
 豆科植物で、根に根瘤バクテリアが共生しており、荒地でも生育するため北アメリカで土壌の流出防止に導入されたことがありますが、今では日本同様雑草として厄介者扱いされ、侵略的外来種ワースト100にいれられています。
 クズの葉は、朝には水平に開いていますが、日差しの強い日中には強すぎる日差しを避けるかのように葉を垂直に曲げ、手を合わせて拝んでいるように見えます。クズの昼寝です。クズは、ウラミグサと呼ばれることがありますが、昼間、葉の裏を見せることがあるのでこのように呼ばれています。しかし、夜には葉を下向きに下げ、まるで眠っているかのように見えます。気孔からの蒸散を防いでいるのでしょうか。これらの動きは、葉の基部にある葉枕(ようちん)と呼ばれる少し膨らんだ部分の膨圧の変化で起こります。
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▲昼のクズ(葉を上向きにたたんでいる)
▲朝のクズ(葉を水平に開いている)
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▲夜のクズ(葉を下向きにたたんでいる)
▲クズの葉枕


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