オオスズメバチ(№195)

 夏も終わりに近づくと、オオスズメバチの巣も直径30cmを超える大きさに成長します。知らずに巣に近づくと、大きな羽音と、口器を噛み合わせるカチカチという音を立てながら向かってくることがあります。
 オオスズメバチは飛んでいるとき、前の翅と後ろの翅を合体させ1枚の大きな翅のようにして動かしています。しかも、前後の翅が胸についている箇所は少し離れています(中胸に前翅、後胸に後翅がついている)。そのため、翅の動きに合わせて前後の翅は左右に少し滑らせる必要があります。左右に滑らせながら、前後を合体させるその秘密は前翅の溝と後ろ翅の鉤(翅鉤)にあります。後ろ翅の多数の鉤を、前翅の溝に引っ掛けることで前後の翅を合体させ、しかも左右に動く余裕を持った連結ができます。
 前後の翅を合体させて飛ぶ昆虫は多く、セミやチョウもこのような翅の使い方をして飛んでいます。
(*写真をクリックすると拡大されます)
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▲採蜜中のオオスズメバチ
▲オオスズメバチ後翅前縁
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▲オオスズメバチ後翅前縁の翅鉤


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