ウチワサボテン(№194)

 うちわのような茎がいくつも連なったサボテンがウチワサボテンです。初夏のころから黄色いきれいな花を咲かせます。大きな棘と小さな棘があり、小さな棘は皮膚に刺さると取れにくく厄介なものです。
 花には6本の雌しべと、多数の雄しべが見られます。この雄しべは昆虫が花粉を集めに来ると、その刺激で花糸(雄しべの柄)がイソギンチャクの触手のように中央部へ曲がります。この動きは、まるで訪花昆虫を抱きかかえ、花粉を押し付けているように見えます。
 このように、積極的な虫媒花のように見えますが、果実は日本ではわずかしかできないようです。原産地では果実をフルーツとして利用しているようです。また、できた種子を何回か播種しましたが、今まで一度も発芽したことはありません。この雄しべの努力はいつ報われるのでしょうか。
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▲ウチワサボテン
▲ウチワサボテンの花(雄しべが開いた状態)
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▲ウチワサボテンの花(雄しべが中央に寄った状態)


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