ナンキンハゼ(№191)
ナンキンハゼは街路樹や一部の庭木としてなじみ深い中木です。この木も自家受粉を避けるための工夫として雄花と雌花の開花時期をずらせています。普通、このような場合は種として雌性先熟(雌花が先に開花)か雄性先熟(雄花が先に開花)かが決まっているものが多いのですが、ナンキンハゼの場合は個々の木によって異なることが知られています。
写真1:雌花が先に開花し、受粉後雄花が開花する例。
写真2:まず雄花(1番花)が開花し、雄花の花穂(穂状にかたまった花)基部から伸びた枝から別の花穂が伸びて雌花(2番花)が開花し、その後に再び雄花(3番花)が開花する例。
写真3:写真2の例とよく似ているが、最初の雄花の花穂が落下してから、次の花穂が伸びる例。
他に、雄花しかつけないものや、雌花→雄花(写真1)→雌花→雄花(写真2)と咲くものなど非常に複雑です。皆さんも観察してみてください。