カエンタケ(№344)

 秋はキノコ採りの季節です。温度、湿度がキノコの生育に最適なのでしょう。食用になるキノコの代表はマツタケ、シイタケ、ナメタケ、トリュフ等があります。中にベニナギナタダケと呼ばれるものがありますがこれとよく似たキノコでカエンタケと呼ばれる猛毒のキノコがあります。
 カエンタケは非常に珍しいキノコですが猛毒を持っています。触れるだけでひどくかぶれる国内唯一のキノコです。誤って食べると3gが致死量といわれ、助かっても言語障害や運動障害が残るそうです。このキノコは子嚢菌(コウボ、アオカビ、トリュフ等の仲間)の一種で基部の太さは10~15mm、上部の太さ3~7mm、長さ2,3cm~10cm程度の指状~鶏冠状の赤いキノコです。ミズナラやコナラの立ち枯れ木、地中の腐朽木から生えるようです。
 日本では約200年前の「本草図譜」に大毒ありと記載されているため、昔からあるキノコのようですが非常にまれなキノコでしたのでこれまで問題になることは殆どありませんでした。しかし、最近カシノナガキクイムシによるナラ枯れが発生しミズナラやコナラの立ち枯れ木が目立つようになったためカエンタケもあちこちで見られるようになりました。
▲棒状のカエンタケ
▲げんこつ状のカエンタケ


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