スギ(№178)

 春になると花粉症に悩まされる人が増えています。日本中の雑木林を伐採し、植林されたスギやヒノキが成長し、花をつけるようになったためその花粉が原因のひとつと考えられています。
 3月初め、好天時に杉林へ出かけると風が吹くたびに煙のようなものが立ち上がるのが見られます。これはスギの花粉が風で飛び散ったものです。スギは雌雄異花(同じ株の中に雄花と雌花をつける)で、スギの花粉の大きさは約30~40μm(1/30~1/25mm)と微小で、一つの雄花に花粉が13200個、1本のスギの木に約1億の花粉ができることになります。
 これだけ大量の花粉を出す雄花に比べ雌花はよく探さないとわからないほど少ないのが現状です。これは風媒花(風に乗って花粉を媒介する)植物の特徴です。
 また、写真でもわかるように雄花をつけている枝は下に垂れ、雌花をつける枝は花粉を受けやすいように直立していることがわかります。
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◀スギの雌花と雄花