ウラナミシジミ(№359)

 春になると白や紫色のきれいなエンドウの花が咲き始めます。暖地ではその花の周りに時々きまったシジミチョウがみられることがあります。これがウラナミシジミです。ウラナミシジミは豆科植物の花が大好きです。なぜならウラナミシジミの卵は豆科植物の蕾や花に産まれ、幼虫は、その蕾や花を食べて育つからです。豆の蕾や花を食べるため、農家にとっては豆の害虫として防除の対象になっています。
 このチョウは暖地性のチョウで関西では越冬出来ず、晩秋には関西以北の成虫は全て死に絶え、早春南の越冬地(四国、九州など)から成虫が少しずつ北上、繁殖し増殖していきます。日本では北海道南部にまで到達するようです。紀伊半島南部ではハウス栽培や、暖地でのエンドウなど、冬期間も豆科作物が栽培されており、これらの地域では越冬も可能かもしれません。
 シジミチョウの仲間の一部には、本種も含め後翅の末端にしっぽ(尾状突起)を持つものがあります。この場合、尾状突起の基部には目玉模様があるのが普通で、まるでチョウの顔(触覚と目玉)が後部にもあるように見え、鳥が後方から攻撃する際、翅の後端部分を頭と思って攻撃し翅が破れてチョウは逃げることが出来ると言われています。下の写真で、右のほうに頭があるように見えますか?
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◀ウラナミシジミ


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