オナガアシブトコバチ(№151)

 オオカマキリの孵化状況を見るため、昨秋卵鞘を採り保存していました。ところが、5月6日になってこの卵鞘から体長2,3mmの黒い小さな蜂が出てきました。メスの産卵管は長く4、5mmあります。この蜂はオナガアシブトコバチといって、オオカマキリの卵寄生蜂です。ところで、産卵管4,5mmでは、カマキリ卵鞘の表面から産卵管を差し込んで産卵しても卵鞘中央までは届かず、卵鞘の周辺部のオオカマキリ卵だけに寄生することになります。予想どうり、蜂が羽化して10日ほど経ってからオオカマキリの幼虫が孵化してきました。つまりオナガアシブトコバチは自身の餌であるオオカマキリを全滅させることなく、常に一部を残すことになります。
 ここで疑問が残ります。蜂は成虫で、カマキリは幼虫です。カマキリの卵は秋まで存在しないはずです。蜂はカマキリが産卵する秋までどのようにして生き延びるのでしょうか。
▲雌成虫
▲雄成虫


ページトップへ