ヤマブキ(№149)

 兼明(かねあきら)親王はヤマブキの花を「七重八重花は咲けども実の(蓑)ひとつだに無きぞ悲しき」(後拾遺和歌集)と詠みました。このモデルは八重咲きのヤマブキで確かに花は咲いても実はなりません。ところが、山には一重のヤマブキが咲いており、こちらは実をつけます。
 この差は何でしょうか。ヤマブキとヤエヤマブキの花を縦に切ってみました。ヤマブキには5枚の花弁と多数の雄しべ、5本の雌しべが見えますが、ヤエヤマブキには多数の花弁は見えますが雄しべは殆ど無く、雌しべもはっきりしません。ヤエヤマブキはヤマブキの園芸種で、雄しべや雌しべが花弁に変わって八重咲きとなったもので、そのため種子を作りません。また園芸種で白の花弁5枚のシロバナヤマブキ(ヤマブキの変種)
もあります。
 白花で花弁4枚のシロヤマブキと呼ばれるのはヤマブキとは別属別種です。
▲ヤマブキの花
▲ヤマブキの花の断面
▲ヤエヤマブキの花
▲ヤエヤマブキの花の断面図


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