ヤママユの繭(№141)

 杉林に薄緑色の鶏卵のようなものがぶら下がっていました。蚕の繭を大きくしたような形をしています。
 ヤママユという蛾の繭で、中に蛹が入っています。ヤママユの仲間の繭は細い糸で綴られていてこの糸を紡(つむ)いだものが絹糸です。1個の繭から600~700mの絹糸が取れます。カイコ、ウスタビガなども絹糸で繭を作ります。特にヤママユの絹糸は『繊維のダイアモンド』と呼ばれ、しわになりにくく、丈夫でつやがあり大変貴重なものでした。
 幼虫は、ブナ科の植物(クヌギ、カシ、コナラなど)の葉を食べ、卵で越冬します。写真の繭には横に小さな穴が見られますがこれは寄生蜂が脱出した跡です。
 成虫は開長10cm以上にもなる大型の蛾で大きな目玉模様を持っています。口は退化していてまったく何も食べません。
 この仲間にクスサンという蛾もいて、昔この繭からテグス(釣り糸)が作られていました。
◀ヤママユの繭(寄生蜂の脱出口が見えます)


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