ツマグロヒョウモン(№124)

 橙黄褐色に黒と白のきれいな模様を付けたチョウがよく目立つようになりました。ツマグロヒョウモン(ヒョウモンチョウの仲間)のメスです。オスには黒と白の模様はついていません。メスの模様はよく目立ち飛び方もゆっくりしています。チョウの天敵で一番恐ろしいのは鳥ですが、このように目立つ模様と、ゆっくりした飛び方をするものは、食べてもまずいか体に毒を持っているものが多いのですが、このチョウはそうではないようです。では、なぜ目立つ模様とゆっくりした飛び方をするのでしょうか。
 このチョウは、もともと南方のチョウで、カバマダラという有毒なチョウと同じ地域で生息しており、ツマグロヒョウモンのメスだけがカバマダラに擬態し、あたかも有毒なように見せかけ、鳥から逃れているのです。
 ところで、地球温暖化の影響もあるのでしょうかツマグロヒョウモンは、最近どんどん分布域を北上させています。しかし、カバマダラは、ついてこなかったため、日本では、意味の無い擬態になってしまいました。でも、南へ渡る鳥たちは勉強しているのかもしれませんね。
▲ツマグロヒョウモンの幼虫
▲羽化直後の成虫
▲ツマグロヒョウモンのメス成虫


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