ネコヤナギ(№358)

 水際に多いヤナギ科ヤナギ属の低木で高さ2~3mになります。冬芽は鱗芽(防寒用の芽鱗で覆われている)ですが、ネコヤナギは通常1枚の芽鱗しかありません。3月頃この芽鱗が取れ中から銀白色の毛をつけた芽が顔を出します。 雌雄異株で、雌花と雄花は別の株に咲きます。花は穂状に咲きますが、雄花の穂が若干長く雄花3~5cm、雌花2,5~4cmです。個々の花には花弁もガクもありません。雄花は雄しべ2本ですが、花糸2本は合着して一つになっています。また開花前には赤みがかり、花粉を出すころは黄色く、その後黒く枯れます。一つの穂についてみると下の花から上の花へ順に咲くようです。雌花には1本の花柱がありますが、受粉時には先端は二つに分かれています。1穂の中の開花順序は雄花では比較的はっきりしているようですが、雌花では必ずしも一定とは言い切れないようで、陽の当たる面が早いのは間違いないように見受けられます。
 樹液には、カブトムシやクワガタムシがよく集まり、子供たちがよく訪れますが、最近は川の護岸がコンクリートで固められネコヤナギそのものがあまり見られなくなっているのは残念です。
 ところでネコヤナギは別名エノコロヤナギとも呼ばれます。エノコロとは子犬のことです。一方エノコログサはネコジャラシとも言われますがネコと子犬は対なんでしょうか。
(*画像をクリックすると拡大されます)
▲ネコヤナギの雌花
▲ネコヤナギの雄花
▲川沿いに育つネコヤナギ


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