シナレンギョウ(№110)

 春、次々と咲く花で彩られますが、中でもあちらこちらで見られるレンギョウの黄色い花が目立ちます。枝があまり枝垂れず、直立したように見えるのはシナレンギョウです。
 シナレンギョウの花の中を覗いてみると、雌しべが飛び出したような花(写真左)と、雄しべが飛び出し、雌しべはその下にある花(写真右)の2種類があることがわかります。前者は長花柱花、後者は短花柱花と呼ばれます。
 蜜を吸いにハチなどが花を訪れ、頭を花の中に突っ込み蜜をなめますが、長花柱花では雄しべが花の下部にあるため、花粉は昆虫の頭付近にたくさん付きます。短花柱花では、昆虫の腹部に花粉がつきやすくなります。つまり、長花柱花の花粉は短花柱花の雌しべに、短花柱花の花粉は長花柱花の雌しべにつきやすくなります。このようにして、他花受粉(他の花の花粉で受粉すること)の機会が多くなるように工夫しているのでしょう。
 なお、レンギョウは茎の中の髄が空洞(シナレンギョウでは階段状の仕切りあり)、ガク片が長く反り返る(シナレンギョウでは短く花に沿って付く)で区別できます。
(*写真をクリックすると拡大されます)
▲長花柱花
▲短花柱花


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