ナギ(№98)

 写真の植物は何の変哲も無い樹木の葉に見えますが、これが針葉樹の一種と聞かされると驚きです。マキ科マキ属でイヌマキの親戚です。葉脈(葉に入っている筋)が平行に走っているのがわかりますか。イヌマキの葉を中央部分で膨らませたようなものです。
 この木は神社でよく見られますが、人が植えたもので野生で見ることはめったに有りません。ところが、奈良春日大社にはナギの林が見られます。これは鹿が食べない、樹皮にナギラクトンと呼ばれる物質がふくまれ、これが他の植物の生育を抑える働きをする(アレロパシー)、神木として人間が大切にしてきたなどの理由によるものと言われています。
 災いをナギ払うに通じるため神木に、また凪(なぎ:海上で無風状態を言う)に通じるため航海安全の神とされ、葉を葉脈に沿って引っ張っても切れないところから縁結びの神としても大切にされてきました。
(*写真をクリックすると拡大されます)
▲ナギ
▲ナギの葉脈


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