2019年5月(May)

5月になりました。5月1日は七十二候の一つ『牡丹華(ぼたんはなさく)』で牡丹が開花し始める頃です。(牡丹の季語は夏ですが・・・)日射しが明るくて新緑が美しく、多分一年で一番美しい季節です。満喫したいものですね。
オオデマリ(スイカズラ科(レンプクソウ科に分類されるときもあります。)
日本原産。別名テマリバナ テマリカ スノーボール。高さが2~3mの低木で、5~6月に直径10cmを超す球状に密集した花を咲かせ、オオデマリ(大手鞠)の名がぴったりです。花は咲き始めが黄緑色で、開くと白色になります。雄しべと雌しべの退化した装飾花でタネは付けず、 ヤブデマリの両性花がすべて装飾花に変化した栽培種です。写真は園芸品種で1本の木からピンクと白の花を咲かせるジェミニです。春に小さな花を球状に咲かせるコデマリはバラ科でオオデマリとは異なります。
タイム(シソ科)
ヨーロッパ南部原産の耐寒性多年草。料理やお茶だけでなく主成分のチモールの殺菌・防腐効果より肉や魚の保存剤としても用いられていました。ミツバチが好むのでイギリスではハーブガーデンに植えられました。ヨーロッパでは神話や文学作品に多く登場します。写真はタイム・ロンギカウリスです。匍匐性で草丈5~10cm、グラウンドカバーとして用いられます。暑さ・寒さ・湿度にも強く、生育旺盛で育てやすいです。初夏に明るいピンクの花が枝先に固まって咲きます。
モッコウバラ(バラ科)
中国が原産の常緑つる性低木で、木香茨、木香薔薇と書きます。一度に大量に花をつけるのでとても華やかです。黄花の一重や白花には芳香があります。バラと違って一期しか咲きませんが、生育が早く、棘がないので扱いやすく、病気、害虫にも強いです。花芽の形成時期が8月末までなのでそれ以降に剪定をすると、翌年の開花数が少なくなってしまいます。生育が非常に旺盛(10mくらいにまで生長)なので、花が終わったら早めに剪定で樹形を整え、適宜誘引を行わないと枝が暴れてしまいます。
シャガ(アヤメ科)
中国原産。別名コチョウカ。常緑性の多年草で、花は淡い紫色、表面のオレンジ色の突起物を囲むように青紫色の斑点が入ります。花は短命で一日でしぼみますが、次々と新しい花を咲かせます。中国から日本に渡来してそれが野生化したと言われています。生育は旺盛で根茎を横に伸ばしてどんどん広がります。シャガの名前はヒオウギの漢名「射干」を日本語読みしたものといわれ、葉がヒオウギに似ているので間違って名付けられたようです。
ボタン(ボタン科)
中国原産。唐代に大流行し、「富貴草」「花王」「花神」の名で呼ばれ、中国の国花とされています。あでやかで巨大な花を咲かせ、日本でも古くから愛されてきました。渡来は奈良時代~平安時代初期ですが、薬用が目的だったようで「万葉集」「古今和歌集」には詠まれていません。園芸では中国に分布するボタン属の落葉低木の野生種を、色々掛け合わせた園芸品種の総称を「ボタン」しています。シャクヤクもボタン属ですが、ボタンが「木」なのに対してシャクヤクは「草」とされています。
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        新しい時代  
 光あふれる新緑の季節になりました。
街を彩る花が日々移り変わっています。
先日、我が家にはオーストラリアからの滞在客がありました。
幸い、お天気にも恵まれ、長く咲き続いた桜、美しい新緑、ボタン、咲き始めたツツジ、フジなど、日本の春を満喫してもらえました。
京都、奈良、高野山などの歴史的な建造物も、花と共に見ると一層魅力が増します。
皆さんから「ラブリー!(素敵!)」「日本に住みたい。」と言ってもらえました。
こんな時は、日本人であることが、ちょっと誇らしく思えます。
さて、日本の年号が、今日から新しく「令和」になります。
新しい時代の始まりです。
そして、「今月の花」も区切りを迎えます。
今から10年以上も前になります。
私は大きな病気のあと、家にこもりがちでした。
それを心配した元社長の配慮もあり、「今月の花」を書くようになりました。
「今月の花」を書くために、「ハナミズキ」の視点で物を見ると、世界の見え方が変わってきます。
何気ない風景や、わずかな自然の移ろい、鳥の声、虫の羽音、花の香り、発酵した落ち葉の匂い、何もかもが一層豊かで魅力的なものに感じられました。
社長が下村社長に代わり、一層細やかに大切にして頂きました。
明るく和やかなスタッフの方達と過ごす時間、元気な植物達に囲まれて花の撮影をする時間は、本当に幸せなひとときでした。
「エコ・ワークス」の皆様には、今も感謝の気持ちでいっぱいです。
私はどんどん元気になりました。
ところが、不思議な事ですが、元気になると、だんだん文章が書けなくなってしまいました。
始めの頃には、指が勝手にキーボードの上を動き回り、(質はとにかく)溢れるように出ていた言葉が、出てこなくなってしまいました。
人は、屈折した思いを抱えていないと、何かを表現できないのかもしれません。
そういった訳で、ハナミズキの「今月の花」は、五月で最終とさせていただきます。
ずっと、ご覧になってくださった方々、ありがとうございました。
これからも「今月の花」はアーカイブとして残りますので、よろしければ花の名前を検索したり、過去記事を読んだりして頂ければ嬉しいです。
そして、これからも「エコ・ワークス」の事を、さらによろしくお願い致します。

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